2014年01月12日

守秘義務6

 「やあ、君が我が社初の裁判員、村田君かね。初めてのことで戸惑うことも多いと思うが、せいぜいがんばってくれたまえ。
 私も昔、実は法律を少し勉強したことがあってね、解らないことがあったらいつでも相談したまえ。大丈夫だよ。」
 あーあ、社長にまで知れ渡っちゃったよ。しかも、超期待されてるし。
 村田は少し不安になった。そんな不安をよそに、社内は裁判員対策で盛り上がっていた。村田がかかわる商談は、裁判員の期間はストップ、電話対応は村田はいないこととし、村田の部下数名が傍聴に行くことになった。
 得意先からは怒りやクレームが来るだろう。信頼も落ちるだろう。企業戦士たるもの、お得意様の信用を損ねるなんて考えられない。そんなの解って当然なのだが、裁判員になるとなったら、どうしても避けられない問題である。
 守秘義務とは、不特定多数の者に「裁判員になったこと」を知らせてはいけないのである。ゆえに職場側の協力が不可欠なのだ。
 これはエライこっちゃ。重役たちは頭を抱えた。裁判員を出すのがこんなに大変とは。

(by川井秋葉)




エライこっちゃ。人気ブログランキング! → _UOSAO.gif






_CTATUTA.gif
posted by akibacchi2980 at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説:守秘義務 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック