2012年10月22日

少女引きずり死の少年に懲役17年

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少女ひきずり死で元少年に懲役17年 長野地裁判決(MSN産経ニュース 2012年10月19日)
長野市で昨年11月に当時17歳の少女2人がひき逃げされ、うち1人が約700メートル引きずられて死亡した事件で、殺人や道交法違反(酒気帯び運転、ひき逃げ)などの罪に問われた元少年(20)の裁判員裁判で長野地裁(高木順子裁判長)は19日、懲役17年(求刑懲役20年)を言い渡した。弁護側は控訴する方針。

 弁護側は「パニック状態で少女を引きずった認識はなかった」と殺意を否認したが、高木裁判長は「少女の悲鳴やアクセルの抵抗感で気付いていた」と述べ、検察側が主張した未必の殺意を認めた。

 元少年が悲鳴に気付いて一時停止した後も飲酒運転の発覚を恐れて逃走を続けたことを挙げて「生命より保身を優先させた身勝手極まりない犯行」と指摘した。
………
この裁判員裁判は1カ月という長期審理でした。
それでは、次のニュースです。

’12裁判員:2少女ひき逃げ・懲役17年(その1) 母「一生許さない」 地裁、自己保身優先を指摘 /長野(毎日jp 2012年10月20日)
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◇「お帰りの返事ない…」

 長野市で昨年11月、17歳の少女2人が死傷したひき逃げ事件の裁判員裁判判決。長野地裁は19日、殺人罪や道交法違反(酒気帯び運転、ひき逃げ)などの罪に問われた同市の当時19歳の元少年(20)に懲役17年(求刑・懲役20年)を言い渡した。高木順子裁判長は「(元少年は)被害者の命より自己の保身を優先し、身勝手極まりない」と指摘し、亡くなった同市のT.Yさんを約700メートル引きずり、死亡しても構わないという未必の殺意を認めた。弁護側は即日控訴した。

 午後2時半、元少年は傍聴者が法廷に入る前に証言台の椅子に座り、判決を待った。高木裁判長が主文から判決を読み上げ、元少年は静かに聞き続けた。

 争点は「未必の殺意」の有無。死亡したTさんをはねた後、引きずった認識があったかどうかだった。

 検察側は「Tさんの悲鳴などから引きずりを認識しており『死亡させるかもしれない』と認識しながら引きずった」と殺人罪の成立を主張。弁護側は「車底部で引きずっていたことは分からず、殺意はないので殺人罪は成立しない」と自動車運転過失致死傷罪の適用を求めた。

 判決で高木裁判長は「証言や証拠などから元少年は、Tさんの悲鳴に気付き、一度停止した後、再発進したと認定できる」と検察側の主張を認定。弁護側の「パニック状態だったため、悲鳴などに気付かなかった」という主張を「元少年の動揺は想像できるが、悲鳴や運転に生じた異常を認識できないほどの心理状態ではなかったと言うべきだ」と退けた。

 また、高木裁判長は「殺意は未必にとどまり、元少年なりに反省や謝罪の気持ちを表し、被害者の冥福を祈っている」とも述べた。元少年は裁判長をじっと見つめながら、約40分間の読み上げを聞き、終わると小さくうなずいた。

 ◇「中立性、大変さ分かった」 元補充裁判員が心情吐露

 判決後、元補充裁判員の50代男性が記者会見し、1カ月以上に及ぶ裁判員裁判に「長い公判だった」と心情を語った。

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公判では殺人罪の成否が争点となった。男性は「最初はあまりに悲惨な話と、右(検察側)と左(弁護側)で、(どちらの意見を採用して判断するかで)大きく人の人生が変わるので『大変だ』と思った」と苦しい心情を吐露した。「核心の持てる点だけを集めて判決の判断材料にするという中立性を持つことの大変さが分かった」と話した。

 判決は殺人罪を適用して懲役17年とした。「我々(裁判員)はこれで終わるが、元少年と被害者はこれからも心理的には(事件は)終わらない。(被害者、加害者ともに)苦しい感情は続くだろうと思う」と語った。

    ◇ 

 判決後、T.Yさんの母親が報道陣の取材に応じ「裁判員に私たち被害者の気持ちが分かってもらえた」と心境を述べた。来月5日で事件から1年を迎えることに触れ「帰宅して『ただいま』と言っても『お帰り』と返してもらえない。その一日一日が長くて長くて、やっとの思いで過ごしてきた」と涙ながらに語った。元少年に対しては「(遺族には)Yの居ない毎日が繰り返される。大事な娘を奪った元少年を一生許すことはできない」と憤った。
………
つづきをどうぞ。


’12裁判員:2少女ひき逃げ・懲役17年(その2止) 「目撃証言に信用性」−−判決要旨 /長野(毎日jp 2012年10月20日)
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<判決要旨>

 少女2人が死傷したひき逃げ事件で、元少年に懲役17年を言い渡した地裁判決の要旨は次の通り。

 ◆殺人罪の成否について

 弁護人はそもそも元少年にT.Yさんの悲鳴や引きずっていた認識がなく、故意はないと主張する。現場付近の目撃者は、悲鳴が聞こえ、車がコンビニエンスストア前で5〜10秒ほど停車し、再度発進させたと証言しており、その信用性は高い。引きずり痕はコンビニ前で(道路)左側に寄り、血だまりとなっている。目撃者は「車が重そうな感じで走っていく印象を受けた」と証言している点などから(1)Tさんが悲鳴を発し(2)車はコンビニ前に停車した後、再び発進(3)車にはアクセルペダルが重いなどの異変が生じていた−−の各事実が認定できる。

 人形を使った県警の車両実験や目撃証言を総合すると、特段の事情がない限り、元少年はTさんの悲鳴を認識し、アクセルなどに生じる違和感を気付いたと認定できる。コンビニ前で停車したことは、元少年が悲鳴や異状に気が付いていたと雄弁に物語っており、酒気帯び運転及び事故の発覚を免れるために更に逃走しようと決意し、あえて発進走行したと認定するのが相当。「未必の殺意」を抱いていたと認定できる。

 ◆量刑理由

 指摘すべきは、人を車底部に巻き込んだまま引きずる殺害方法の残忍さと、若く尊い命が奪われた結果の重大性である。頭部は車底部とアスファルトで摩擦された結果、致命傷となり、遺体の無残な姿はむごさを彷彿(ほうふつ)とさせる。被害者の悲鳴に込められた痛み、恐怖、絶望の心情を思うと哀れでならない。

 元少年は交通事故とひき逃げだけでも強い社会的非難に値するが、被害者の命よりも自己の保身を優先させ引きずり続けたのであり、身勝手極まりない。酒気帯び運転には常習性もあるなど、自己中心的で法軽視の態度は否めない。

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 ◆元少年の公判の主な争点と判決◆

 ◆引きずりの認識

 ◇検察側の主張

元少年は引きずり音やアクセルの抵抗感、悲鳴などから引きずっていることには気が付いていた。一度、停車して逃走を諦めるか、T.Yさんを助けるか迷ったが、飲酒運転の発覚を恐れ、Tさんが死んでもやむを得ないと走り続けた

 ◇弁護側の主張

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大事故を起こし、パニック状態で、Tさんの悲鳴やアクセルの抵抗感などには気付かなかった。元少年は衝突した相手は1人だったと思っており、その人は後ろの方に飛ばされたという認識で車底部に人がいる可能性を考えられなかった

 ◇判決の内容

証言や証拠などから元少年は、Tさんの悲鳴に気付き、一度停止した後、再発進したと認定できる。元少年の動揺は想像できるが、衝突後、700メートル以上の距離を事故を起こすことなく運転している。悲鳴や運転に生じた異常を認識できないほどの心理状態ではなかったと言うべきだ

 ◆量刑

 ◇検察側の主張

懲役20年

 ◇弁護側の主張

自動車運転過失致死傷罪を適用の上、懲役5年

 ◇判決の内容

懲役17年
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それでは、事件担当者の話です。

’12裁判員:2少女ひき逃げ・懲役17年 小池充夫・次席検事、有吉美知子弁護士の話 /長野(毎日jp 2012年10月20日)
◇主張がおおむね認められて納得−−小池充夫・次席検事の話

 検察側の主張がおおむね認められ、事実認定も量刑も納得できる。県警と協力した手厚い捜査のお陰で立証できた。また、真剣に審理に臨んだ裁判員には敬意を表したい。

 ◇「事実認定」に納得できない−−有吉美知子弁護士の話

 (判決は)予想外だ。引きずられて亡くなったという前提以外の全ての事実認定について納得できない。家庭裁判所の「未必の殺意がなかった」という判断を覆す具体的説明がなかった。
………
遺族の方の「裁判員に私たち被害者の気持ちが分かってもらえた」
っていうのが、一番ですね。
裁判員の方、お疲れさまでした。




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posted by akibacchi2980 at 01:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 裁判員やりたい。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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