2012年04月24日

裁判員制度はあったほうがいい、という話

人気ブログランキングへ

記者の目:裁判員法施行から3年=岡奈津希(奈良支局)(毎日jp 2012年4月24日)
1/4
奈良県警の警察官2人が窃盗容疑の逃走車に発砲し、助手席の男性を死亡させて殺人と特別公務員暴行陵虐致死罪に問われた裁判員裁判で今年2月、奈良地裁は無罪を言い渡した(検察官役の指定弁護士が控訴)。公務員の職権乱用などの罪を検察が不当に不問に付すのを防ぐ「付審判制度」で開かれた初の裁判員裁判だった。公務員の行為を同じ公務員の裁判官だけではなく、市民も審理したことに司法の新たな一ページを感じた。
 ただ、付審判事件で裁判員裁判の対象になっているのは一部のみ。裁判員裁判を制度化した裁判員法施行から5月21日で丸3年を迎える。私はこれを機に、付審判決定された事件は全て裁判員裁判に付すべきだと考えている。

 ◇裁判員の質問で審理が深まった

 判決などによると、逃走車は信号無視などをしながら約20キロ暴走。2被告が発射した各1発が男性に当たった。奈良地検は2被告を不起訴としたが、奈良地裁は遺族の請求で付審判決定を出した。検察官と裁判官という司法のプロが全く異なる結論を出すという判断の難しい事件に、30〜60代の男性2人と女性4人の一般市民が裁判員として法廷で向き合った。裁判員は、初公判では緊張していたが、審理が進むにつれて表情や態度が変わっていった。

2/4
最初に印象に残ったのは公判5日目。裁判員が、現場で発砲を指示した上司に「タイヤを撃つことを考えなかったのか」と問い、発砲の正当性に疑問を投げかけた。7日目には、全8発のうち5発を撃った警官に「発砲の姿勢を取ってください」と求め、背の高い警官に「身長によって射撃姿勢は異なるのか」などと細かく質問。2被告にも同様の姿勢を取らせ、法廷の壇上から下りて確認した。裁判官だけの裁判では見たことのない光景だった。
 発砲状況の再現では、2被告のうち1人が前傾し、もう1人が後ろに反る姿勢を取った。被告は、狙いが外れた理由を「今でも分からない」と話したが、裁判官は「姿勢の悪さが原因ではないのか」と指摘した。このように、裁判員の質問から審理が深まった場面は何度もあった。
 過去に殺人や保護責任者遺棄致死の事件など10件以上の裁判員裁判を取材した。どの裁判でも公判が進むにつれて裁判員の質問は増えるが、今回の事件では迫力が違った。その理由は、被告が権力を持つ警官だからだと思っている。市民には、警官への身内意識はない。厳しい目を持つのは当然だ。捜査に素人の市民が「本当に発砲が必要だったのか」と何度も確認したことに大きな意味があった。

3/4
付審判制度は、裁判官や検察官、警官ら特別公務員の他、公安調査官らによる職権乱用の罪が主な対象だ。このうち裁判員裁判となるのは、特別公務員が人を死亡させた場合の暴行陵虐致死と職権乱用致死の罪のみ。制度は、検察が公務員を身内意識から不当に不起訴にするのを防ぎ、国民の司法への信頼を確保するのが狙いのはずだ。そうであるなら、開かれた司法を目指してスタートした裁判員裁判ほど、公務員の行為を判断するのにふさわしいものはない。

 ◇決定は戦後21件、請求の0.1%

 付審判制度には他にも課題がある。付審判決定は戦後、わずか21件。付審判請求全体の0.1%しかない。これで検察の判断を検証していることになるのか。請求から決定までの期間の長さも問題だ。地裁が今回の事件で付審判決定を出したのは、遺族の請求から4年3カ月後。殺人罪が加わった訴因変更が認められるまでにさらに9カ月を要した。時間がたてば証拠の散逸を招き、関係者の記憶も薄れる。裁判所は決定の可否判断をもっと早くすべきだ。
 公務員の持つ強大な権力は、市民の信頼で成り立っている。市民には権力チェックの権利があり、本来なら公務員犯罪は全て市民の目で検証すべきだ。しかし、公務員が賄賂を受け取るなどの収賄事件だけでも10年には53件(法務省調べ)が起訴されるなど、件数がとても多い。

4/4
一方、付審判決定されるまでに至るのは極めて異例で、全て裁判員裁判で裁くことは十分可能なはずだ。検察官と裁判官の判断が分かれた事件に市民の目が入ることにも重要な意味がある。それは、権力チェックをする市民の意識を高めることにもつながるはずだ。

 【ことば】奈良警官発砲事件

 03年9月10日、奈良県大和郡山市の国道24号で、窃盗容疑で逃走中の車に警官3人が8発発砲。被告2人の各1発が助手席の男性(当時28歳)に当たり死亡した。遺族が殺人罪などで告訴したが不起訴となり、奈良地裁に06年1月、付審判請求。地裁は10年4月、付審判決定を出した。
………
これは、裁判員裁判で無罪になりました。
どうせ、無罪になるんだったら裁判員裁判なんて意味ないんじゃない?
ということは決してなく、
裁判員裁判にすることで市民が権力をチェックするということは大事なことのようです。




勉強になった?人気ブログランキング! → 


posted by akibacchi2980 at 21:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 裁判員やりたい。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。